コンクリートの耐久性
コンクリート構造物の耐久性とは、構造物の性能や機能の経時的な低下に対する抵抗性のことである。構造物(部材)の機能とは、目的または要求に応じて構造物(部材)が果たす役割であり、構造物(部材)の性能とは、目的または要求に応じて構造物(部材)が発揮する能力のことである。すなわち、コンクリート構造物の耐久性とは、気象作用、化学的浸食作用、物理的摩耗作用、その他の劣化作用などに抵抗し、構造物に要求される力学的ならびに機能的な性能を長期にわたって発揮する能力のことをいう。
コンクリートの劣化現象には、塩害、中性化、化学的浸食、アルカリ骨材反応などの化学的なものと、凍害、すりへり作用などの物理的なものがある。実際の劣化現象は、複数の劣化作用の複合で進行することが多い。
こうした劣化状況の把握のため、また構造物(部材)の耐久性を測るために各種試験・調査を行っております。
中性化試験
中性化
中性化とは、一般に空気中の二酸化炭素の作用を受けて、コンクリート中の水酸化カルシウムが徐々に炭酸カルシウムになり、コンクリートのアルカリ性が低下する現象をいい、炭酸化と呼ばれることもある。鋼材の周辺を包み込んでいるコンクリートが中性化すると鉄筋の不動態被膜が破壊されるため、水や酸素の浸透により鉄筋がさび、構造物の耐荷性や耐久性が損なわれる。コンクリートの中性化に影響する材料、配合に関する因子としては、水セメント比、セメントと骨材の種類、混和材料などが挙げられ、密実なコンクリートほど中性化の進行は遅い。
環境条件として、一般に二酸化炭素濃度が高いほど、湿度が低いほど、温度が高いほど中性化速度は速くなる。ただし、著しく乾燥している場合には中性化は進みにくい。
鉄筋調査
鉄筋調査は、鉄筋の径やかぶり、腐食状況を確認することにより、構造物の体力及び耐久性を推定し、その後の維持管理に役立てる資料を得るための調査方法の一つです。
コア採取
コンクリート構造物において強度測定や中性化深さ測定及び塩化物イオン含有量やアルカリシリカ反応性骨材の検出、促進膨張試験等を行うためにコアを採取し試験・判定を行います。